インターンシップは労働契約が必要?インターンシップを実施する際の注意点

2023.03.29

多くの企業が実施しているインターンシップですが、実は様々な問題をはらんでいます。今回は、インターンシップを運用されている企業様向けに、実施する際の注意点を解説します。

インターンとアルバイトは大きく異なる

インターンとアルバイトは大きく異なります。まずインターンシップは労働契約を締結しておりません。あくまで就業機会を付与し、職業体験をしてもらい、 学生に社会や会社で働くイメージを持ってもらうことが目的です。そのため、各種労働法制の対象外となります。

それに対しアルバイトは、労働契約を締結し短時間就労者として実際に会社で実業務、営利業務に従事することになります。そのため各種労働法制の対象となります。

インターンシップには「有償型」と「無償型」がある

就業体験をした時間に対し、何らかの対価を払うことを有償型インターンと言います。
逆に何らの対価も払わないことを無償型インターンシップと定義します。

ここで用いるのが対価という言葉です。

インターンシップは労働契約でない以上、本来は賃金ではありません。そして労働契約でない以上、各種労働法制の対象から外れますので最低賃金も関係ありません。

インターンシップという名目で「ただ働き」させていると問題

無償型インターンシップをしている企業で問題になるケースとして、インターンシップという名称で「ただ働き」をさせているケースです。

就業体験を逸脱し、実際に会社の営利活動に従事させている場合は、 インターンシップとは言えません。アルバイト契約と言えるでしょう。

営利性を伴わない場合、労働契約は締結しなくてOK

あくまで就業体験をさせるにとどまり、営利性を伴わない業務のみに従事させるのであれば、労働契約を締結せず、有償型のインターンシップとして取り扱うのがよいか思います。
その場合、会社のインターンシップの内容を説明し、そのプログラムやカリキュラムを提示の上、インターンシップ誓約書を提出してもらい、労働契約でないことを労使双方、認識しておく必要があります。

社会人となるイメージ、会社で働くイメージをもってもらうことに留まり、会社の営利活動実務に携わらせないことに注意しなければなりません。

営利性を伴う実務に携わらせるのであれば「アルバイト契約」に

インターンシップで就業体験を積ませて、見込みがあると会社が判断し、且つ本人にもそれを望めば、労働契約に切り替えることは可能です。
逆に会社の営利性を伴う実務に携わらせるのであればインターンシップという呼称も用いず、学生アルバイトとして労働契約を締結した方が安全です。

インターンシップはあくまで就業体験の付与です。営利性を伴う業務や、長期間に及び業務は、労働契約とみなされる可能性がありますので、その点を切り分けて運用頂くことが肝要です。