社員に新型コロナウィルス感染者が出た場合の対応

2021.04.10

新型コロナウィルスの脅威は収まらず、感染者も増え続けています。ワクチン接種が始まりつつあるとはいえ、まだまだ感染リスクは高く、引き続き注意せねばなりません。今回は私の関与先企業での事例を交え対応方法についてご紹介します。

行政側の対応の流れ

まずはコロナ感染者(PCR検査での要請反応)が出た場合、行政がどのように動くのか?ということを知っておきましょう。以下に実際に行われた対応に沿ってご紹介します。

①ヒアリング

陽性者本人の住所地を管轄する保健所が、濃厚接触者の有無や、症状、状態を陽性者本人よりヒアリングを行います。

②隔離

ヒアリング後、陽性者は隔離されます。

③保健所で「後追い調査」の判断

後追い調査が必要と住所地管轄の保健所が判断した場合は、住所地管轄の保健所から会社所在地を管轄する保険所に連絡が行きます。(保健所間の連携)

尚、陽性者の住所地管轄の保健所が後追い調査不要とした場合は、会社の所在地管轄の保健所には連絡は行きません。

④会社に管轄の保健所から連絡(後追い調査が必要と判断された場合)

会社所在地管轄の保健所は、陽性者の住所地管轄の保健所から連絡があった際は、状況確認の為、陽性者の所属する会社に連絡を行います。

⑤管轄保健所から質問→会社から回答

会社に連絡が来た場合は、保健所の質問に対し、会社は回答する必要があります。その上で、濃厚接触者が認められる等の状況があれば、保健所より必要な指示が出されます。

⑥管轄保健所より必要な指示が出される

保健所からの連絡がない又は指示が出るまでの間は、業務継続は可能です。尚、事業の継続の判断、全社又は当該陽性者の所属部門を一部閉鎖する等の対応は、あくまでで会社の自主的な判断となります。(罰則、指針等はなし)

又、保健所からの指示がなければ、他の社員も隔離する必要はありません。

保健所が強制的に事業所閉鎖を命じたりすることはない

原則、保健所の指示に従って行動することになりますが、保健所が強制的に事業所閉鎖を命じたりすることは、まずないとのことです。あくまで各会社の自主的な判断で、対応を検討して下さいとのことです。

この点が非常に曖昧で、明確な指示を出してもらった方がむしろ有難いとも思えます。

社員に新型コロナウィルス感染者が出た場合の対応

保健所からの連絡の有無に振り回されず、もし陽性者が出た場合、会社はどうするのか? 会社の独自対応を事前に取り決めておくのが良いと思います。

あらかじめ決めておいた方がよいこと

以下事項を決めておくとよいでしょう。

・休業期間中の賃金の取扱い
・個人情報やプライバシーへの配慮、取扱い
・PCR検査実施の検討
・担当部署等の体調把握
・担当部署等の自宅待機等の措置
・営業先等への連絡体制

その他事前にできる対応

併せて以下対応を行っておきましょう

・陽性者のフロア見取り図の作成(座席表等)
・陽性者のデスク、行動範囲の消毒の徹底
・接触した人間の把握、接触頻度、接触度合い等の調査

現時点で会社としてできることを行っておけば、事業所管轄の保健所から連絡があった場合、慌てることなく速やかに応じるが可能となります。