そもそも助成金とは?正しい知識を持っておこう

2018.04.26

助成金とは、各種金融機関の融資と異なり、返済不要となります。助成金の財源は、主として企業の皆様方が納付している雇用保険料が充てられております。返済不要な助成金ではございますが、貴重な公金によって賄われているものです。各助成制度の趣旨等を理解の上、決して不正な申請を行わず、受給の可能性を図って頂けたらと思います。

受給できる事業主の条件

雇用保険適用事業所の事業主であること
支給のための審査に協力すること
(1)支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等を整備・保管していること
(2)支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等の提出を、管轄労働局等から求められた場合に応じること
(3)管轄労働局等の実地調査を受け入れること など
Ⅲ. 申請期間内に申請を行うこと

受給できない事業主

次のⅠ~Ⅶのいずれかに該当する事業主(事業主団体を含む)は、雇用関係助成金を受給することができません。

1.不正受給(偽りその他不正の行為により、本来受けることのできない助成金の支給を受けまたは受けようとすること)をしてから3年以内に支給申請をした事業主、あるいは支給申請日後、支給決定日までの間に不正受給をした事業主

2.支給申請日の属する年度の前年度より前のいずれかの保険年度の労働保険料を納入していない事業主(支給申請日の翌日から起算して2ヶ月以内に納付を行った事業主を除く)
支給申請日の前日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に、労働関係法令の違反があった事業主

3.性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業またはこれら営業の一部を受託する営業を行う事業主 ※これらの営業を行っていても、接待業務等に従事しない労働者の雇い入れに係る助成金については、受給が認められる場合があります。

4.暴力団関係事業主
支給申請日または支給決定日の時点で倒産している事業主
不正受給が発覚した際に都道府県労働局等が実施する事業主名等の公表について、あらかじめ同意していない事業主

中小企業の範囲

雇用関係助成金には、助成内容が中小企業と中小企業以外とで異なるものがありますが、中小企業の範囲は下表のとおりとなっています。原則として、次の表の「資本または出資額」か「常時雇用する労働者数」のいずれかを満たす企業が「中小企業」に該当します。

不正受給の場合の措置

雇用関係助成金について不正受給があった場合、次のように厳しく取り扱われます。

Ⅰ. 支給前の場合は不支給となります。
Ⅱ. 支給後に発覚した場合は、支給された助成金を返還しなければなりません。
Ⅲ. 支給前の場合であっても支給後であっても、不正受給の処分決定日から起算して3年間は、その不正受給に係る事業所に対して雇用関係助成金は支給されません。
Ⅳ. 不正の内容によっては、不正に助成金を受給した事業主が告発されます。
詐欺罪で懲役1年6か月の判決を受けたケースもあります。
Ⅴ. 不正受給が発覚した場合には、事業主名等の公表を行うことがあります。
このことにあらかじめ同意していただけない場合には、雇用関係助成金は支給されません。労働局をはじめ各助成金の支給機関においては、助成金の不正受給がないかどうか常に情報収集するとともに法令に基づく立入検査等の実地調査をしております。

その他留意事項

Ⅰ. 都道府県労働局に提出した支給申請書、添付資料の写しなどは、支給決定されたときから5年間保存しなければなりません。
Ⅱ. 同一の雇入れ・訓練を対象として2つ以上の助成金が同時に申請された場合や、同一の経費負担を軽減するために2つ以上の助成金が同時に申請された場合には、双方の助成金の要件を満たしていたとしても、一方しか支給されないことがあります。
Ⅲ. 雇用関係助成金の支給・不支給の決定、支給決定の取消しなどは、行政不服審査法上の不服申立ての対象とはなりません。